食材

青魚とDHA・EPAについて。体に良いってやっぱり本当だったんだ!

青魚というとどういう魚を想像されるでしょうか。どういったものが青魚で他の魚はなんというのか、青魚を食べるとなにがいいのか、調理の仕方などみていきたいとおもいます。

1.「アジの開きおいしいな~」

「青魚を食べてると血液がサラサラになるって宮っち食堂のポイント獲得問題に出てたね」

2.「ドロドロだと血管が詰まりそうで怖いわよねー」

「うんうん」

「ドロドロ・・・血管詰まる・・・」

3.「お母さん!毎日青魚お願いします!!」

「毎日なんて無理ですよ」

「確かお肌にもいいんだっけ?」

4.「これから毎食青魚よっ!!!」

「え~・・・」

どんなのが青魚?

青魚とはどういうものをいうのかというとサンマやアジ、イワシなど背の青い魚のことをいいます。

通常群れを成して海の浅いところを泳いでいます。海の浅いところでは背が青っぽい魚が多く、人間や鳥など魚を捕食する生物に見つかりにくい色になっています。ですので、青魚を背が青いということで見分けるのは厳密的に難しいといえます。

一般的に言われている青魚というものは、背が青く中に脂が詰まった魚のことです。

白身魚

身の色が白い、ヒラメや鯛などがあてはまります。

白筋繊維がほとんどをしめていて、持続的な回遊を必要としない魚の筋繊維の色が白く見えるので白身魚と呼ばれています

人間で例えるなら短距離選手で瞬発的な早い動きを得意としています。

赤身魚

身の色が赤い、マグロやカツオなどが当てはまります。

赤筋繊維がほとんどをしめていて、持続的な回遊が可能な魚です。赤色に見えるのはミオグロビンという色素たんぱくです。

もともと大量に酸素を必要とするため酸素を取り込めるミオグロビンが必要で、赤身魚はこの割合が多いということです。

人間で例えるならマラソン選手で、持久力に長けている。

DHA・EPAがとれる

青魚を食べると何が良いかというと、私達の身体ではほとんど生産する事ができないDHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)が摂れることです。

DHAとEPAは青魚に多く含まれている脂質の一つで、これは「常温であっても固まらずサラサラな状態で存在できること」が大きな特徴の一つであり、また、青魚を食べることで受けられる恩恵の中でとても重要なものとなります。

脳の働きを高める

青魚の中には「DHA(ドコサヘキサエン酸)」が含まれており、脳の機能を活性化すると期待されています。DHAは魚の脂肪に多く含まれる必須脂肪酸で、人間の脳の総脂肪酸12~15%をしめ1)、細胞の原料やエネルギーの源になります。

DHAには集中力・判断力・処理能力を高める働きがあると言われています。脳の中には必要な成分しか通ることのできない門(血液脳関門)があり、その門を通れるのがDHAなのです。

脳の発達とDHAの関連性がある報告は数多くあり、そのため特に成長期にDHAを摂ると脳の発育にいい影響を与えると言われています。

 

これは昔から言われていて研究がされていますよね。私も子供のころは魚を食べると頭が良くなるとききました。

 

認知症を予防する

高齢者の人が認知症予防として青魚を積極的に食べる人も多く、青魚に含まれるDHAやEPAなどのn-3系脂肪酸は脳内の情報伝達に欠かせない神経の保護、潤滑油などの働きもしているとても優秀な成分です。

7カ国65歳以上の高齢者15000人の食生活を分析した結果、魚を食べない人に比べて週に数回食べた人は、食べなかった人に比べて認知症の発症リスクが2割低く、毎日食べた人は4割低かった14)という報告もあります。

タフツ大学の研究ではサケやマグロなど脂の多い魚(青魚)を週二回食べることによって、アルツハイマー病になる確率を41%カットできる15)というデータが出ています。脂の少ない魚効果が出なかったことからも脂の多い青魚を食べることが大切です。

また、血液中のDHA濃度が高ければ認知症発症率は低くなります。55歳から88歳までの被験者で濃度が高い人は低い人の半分の認知症発症率と39%のアルツハイマー発症率でした。

※アルツハイマー型認知症は認知症の中で最も多いタイプのもので6~8割を占めます。

近年では、生活習慣病がアルツハイマー病の発症原因になることが明らかにされつつある2)ため生活習慣病の予防も大事になってきます。

生活習慣病の予防になる

青魚を摂ると、生活習慣病である動脈硬化や高血圧、 脳梗塞や心筋梗塞の発症の予防3)にもつながります。

DHAやEPAには中性脂肪やコレステロールを減らす役割があり、日本でも動脈硬化の治療薬(EPA製剤)として使われています。

血液をサラサラにする効果やコレステロールや中性脂肪を防ぐので、頭を良くする効果だけでなく、健康にも嬉しい効果が期待できるのです。

抗がん作用や抗炎症作用がある

EPAには炎症を抑える作用があるということは昔からいわれていました。

しかし近年では炎症を抑えるだけでなく、がん細胞をアポトーシス(apoptosis)に導くことがわかっています。

アポトーシスとはプログラムされた死、計画された細胞死、自然死という意味です。通常細胞はこのアポトーシスが発現するため、異常な増殖をすることはありませんが、がん細胞はそれを抑制し増殖します。

EPAの作用について細胞レベルの実験で、膵がん、乳がん、結腸がん、肝細胞がん、肺がん、食道がんなどにおいて報告4)されています。

炎症は体を元に戻すため起こっているので、急性の場合の炎症は体にとって必要ですが、その異常が回復した後もまだ炎症が続き慢性化すれば、そこががん化する事もあります。

このとき、慢性の炎症になるのを防いでくれるのがEPAです。がんが慢性的な炎症から発症することが多いことからも炎症作用を抑えるEPAは抗癌作用があるといえるのではないでしょうか。

目に良い効果をもたらす

現代社会は目を酷使する生活が当たり前になっていて、目のケアをすることが必要不可欠になっています。仕事だけではなくプライベートでもパソコンやスマホをみる機会が多くなっています。目の疲れやそこからくる頭痛など対処せずにほおっておくと日常生活にも支障をきたします。

DHAやEPAのn-3系脂肪酸は目によい効果をもたらすことがわかっていて、目を酷使する人は積極的に青魚を食べたいところです。

ドライアイを改善する

ドライアイは様々な要因により涙液層の安定性が低下し、眼の不快感や機能異常を伴う疾患です。

オフィスワーカーを対象にした専門医による疫学調査では男性60.1%、女性76.5%の人がドライアイもしくはその疑いがある13)という結果です。

1日1245mgのEPA及び540mgのDHAの摂取を治療とあわせて行ったところ、症状の回復が早くなった12)という研究結果や、ドライアイを発症している人は魚油の摂取が少ないというデータもあります。

眼の病気を予防する

網膜にDHAは豊富に存在しその欠乏は網膜機能の低下を引き起こします。

網膜とは目に入ってくる光の量を調節するところで、ここがうまく働かないと、少し暗くなっただけで物がみづらく(夜盲)の症状が現れたり、視力が低下が低下したりします。

加齢黄斑変性などの眼病の予防としてもDHAが有効ではないかという報告は数多くあります。

お肌に良い

美肌効果もあるため、女性の強い味方でもあります。

青魚から摂取したDHAとEPAには、過剰な脂質によって流れが悪くなっている血液をサラサラの状態に戻し、かつ血管を柔らかくする効果があります。それによって、毛細血管の血流をよくすることができます。これは、美しい肌を持つ上で必要不可欠であり、新陳代謝を良くすることに直結します。

どれくらいの量を食べたらいいのか

それでは一体どれくらいの魚を食べたらいいのか摂取量をみていきます。

厚生労働省,”日本人の食事摂取基準(2015 年版)の概要”より

サンマであれば中くらいのもので1匹170gです。これを焼き調理をした場合大体可食分が100gになります。

焼き調理した100g可食分のサンマの DHAは560mg,EPAは1200mg5)となります。

認知症予防には、n-3系脂肪酸の摂取量は最低でも1~2gを必要6)とすることから、最低でも1匹以上食べないとといけないことになり、毎日続けるには現実的ではありません。

イワシの缶詰かば焼であれば、DHA1800mg,EPA1400mg7)を摂ることができます。 缶詰は安いですし開けるまで保存がききます。

しかし、缶詰は味付けが濃いので、ほかの料理の味付けを薄くするなどの調整が必要です。

DHA・EPA摂取に関して言えば缶詰が一番良いです。(妊婦・幼児は念のため避けたほうが良い)水煮であれば味付けが塩だけですので、そのままで食べるならこちらが良いと思います。缶詰の魚を食べるときに心配なビスフェノールについては後述します。

結論としては、缶詰なども含めて魚料理を意識してとる。青魚を食べない日は、サプリメントで補うのが良いでしょう。

 

毎日のことですから無理のないようしたいですね。

 

調理方法

1.「今日の晩ご飯青魚にしようと思うけど、お父さん何がいい?」

「んー?なんでもいいよ。」

2.「さば焼きでいいかしら?」

「焼くと魚の脂が減っちゃうんだよな~」

3.「駅前のスーパーのアジフライおいしいのよねー。」

「揚げるとあぶらが入れ替わっちゃうんじゃなかったっけ?」

4.「お父さんは青魚サプリのふりかけご飯にするわね!」

「えっ・・・」

「あんまり調理方法にはこだわらずおいしく食べれればいいって宮っち食堂が言ってたよ

空気中や高温での酸化がはげしいため新鮮な魚を素早く調理して食べるのがベストです。

生、煮る、蒸す、焼く、揚げる調理方法を選んだ場合の脂質の変化をみる

調理においては「焼く」の場合は脂質の損失が大きく,また「揚げる」においては脂質の交代がある8)。 ということですので、生や煮る、蒸すの調理方法を選ぶと他の調理方法より魚の脂を酸化させずに摂ることができます。

 

わかりやすく比較図が載っていました。魚の種類によっても若干の違いがあるようですが、調理方法はそこまで気にしなくても良いと感じました。自分のおいしいと感じる調理の仕方で頂きたいところです。

 
コレステロールの気になる方へ。血中のコレステロールと食事から摂取するコレステロールとの関係性はなく、コレステロールを含む食品を食べることと冠動脈疾患、脳卒中疾患との関連性は認められていません。
コレステロールは、ほとんど肝臓で作られ、食事からとる量はそれに比べてわずかです。また食事からとる量を多くすると、肝臓で作られるコレステロールは調整されて合計量は一定になるように調整されます。ですので、健康な方はそこまで気にする必要はありません。コレステロール値に関してだけ言えば卵は1日何個食べても大丈夫ということです。

しかし、食事からのコレステロール摂取は、長期間量が増えると癌のリスクが上がる報告もあるということは覚えおきたいところです。

魚を食べるにあたって心配なこと

魚を食べるにあたって心配なのは水銀や鉛、ダイオキシン、カドミウムなどの有害物質ではないでしょうか。日本人の水銀の摂取のほとんどが魚介類からです。今回は一番心配な水銀について調べました。そして缶詰を食べる場合ビスフェノールAという物質が心配になるかと思いますので、そちらも調べた内容を書いていきます。

水銀の摂取が心配な方へ

平均的な日本人の水銀摂取量は健康への影響が懸念されるようなレベルではありません。9)

日本における食品からの水銀摂取は妊婦の耐用量の6割程度で

一般に胎児への影響が懸念されるような状況ではありません。10)

あくまでも妊婦の方の胎児への影響を考えての報告書で、子供や年寄りの方も、普通に食べる分には問題ないようです。

妊婦への魚介類の摂食と水銀に関する注意事項 こちらは厚生労働省のページです。リンク先に妊婦の方の摂取量の目安がありますが、おそらくこれも相当厳しい基準になってるはずです。これを守る限り全く問題はないのでしょう。

気になる方は一読されるといいと思います。 妊婦の方にはおそらく病院で医師から助言、指導があるかと思います。

イギリスで1万人以上の妊婦を対象に行われた研究では、妊娠中に魚を制限することは微量金属による有害事象から子供を守ることにはつながらないとし、むしろ、1週間に340g以上の魚介類を食べることが子供の成長に良い影響を与える11)としています。

 

この水銀をとらずに魚の栄養素のメリットだけを取り込めるというのが理想ですが、そこまで心配する必要はなさそうです。

 

 

ビスフェノールAが心配!缶詰は大丈夫なの?!

ビスフェノールAはカドミウム、鉛、水銀と同様内分泌かく乱物質(環境ホルモン)です。 プラスチック製のボトルやほ乳瓶、その他多くの製品に使われているポリカーボネート樹脂の原料になります。 アルミ飲料缶や缶詰の缶の内側をコーティングするのにも使用されています。

ネットの記事でビスフェノールAは大変危険であるというのがほとんどです。海外をみてもビスフェノールAを制限、輸出規制している国もあります。 フランスでは全面使用禁止となっているようです。

日本ではどうかというと食品衛生法で2.5ppm以下という溶出試験規格を設けています。 耐容一日摂取量0.05mg/kg体重としこの量であれば健康に被害がないとしています。しかし1993年時点のもので国としては今のところビスフェノールAの含まれた製品の販売を禁止するなど更なる取り組みはされていません。

その間今日まで様々な研究が行われ低容量でも毒性を発揮するなどの報告がなされる一方、その追試験を行うと関連性はみられないなど今もなお賛否が分かれていて研究されている状態です。

ここまで書くと、やっぱり缶詰はだめなのか?!となってしまうかもしれませんが、そうではありません。 もちろん妊婦、幼児の摂取は避けなければいけません。胎児、幼児には代謝、排泄機能が未熟でデトックスされにくいからです。

話を元に戻し魚の缶詰は危険かどうかをみてみます。 市販されている缶詰に含まれるビスフェノールAの量は14検体中8検体から21.1ng/g~134.8ng/g検出されました。 缶詰内容量100gとして2110ng~13480ng = 0.00211mg~0.01348mgとなります。 体重を仮に50kgとした場合、日本の基準では25mgまでは安全ということになり、余裕で安全の範囲内となりますが、低容量での曝露での報告もあるためこの数字はあまり意味がありません。

そこで、EUの科学機関が食品やワインからの曝露を0.0005~0.009 mg/kg/日としているのでこちらを使います。 同じく体重50kgとした場合、1日0.025mg~0.45mgとなりこちらの数字でも範囲内です。

元々、ビスフェノールAは食品からの摂取からだけではなく感熱紙上に印字されたレシートなどから皮膚を介して吸収するものもあるのです。通常口から摂取されたビスフェノールは 肝臓で代謝され、すぐに排泄されますが、皮膚からの吸収されたビスフェノールAはデトックスされにくく長時間体内にのこり毒性を発揮する可能性があります。こちらのほうが問題でしょう。

ニンジンリンゴジュースや玄米などデトックス効果の高い食品をとることや、一日2食以下にすることで問題ないでしょう。

結論として魚の缶詰を食べても大丈夫ということになります。

BPAフリーの製品が出回り始め、その数が増えています。日本も今後このビスフェノールAを使用する製品は更に規制がかかるのではないかと思います。 そうしないと世界をマーケットにして日本の製品が売れなくなるからです。より安全で安心した製品作りが必要だと思います。

参考書籍

3)藤山順豊, “コレステロールと中性脂肪の基礎知識”,2007

14)ジーン・カーパー, “アルツハイマーになる人、ならない人の習慣”2011

参考文献

1.2.6)橋本道男, “The preventive effect of diet and exercise on dementia.”,2015

4)“溝口 公士, 竹山 廣光, “がんとEPA”,2015

5.7)文部科学省,”日本食品標準成分表2015年版(七訂) 脂肪酸成分表編”より

8)浅川具美, “加熱調理による青魚の脂質の変化”,2009

9)厚生労働省, “魚介類に含まれる水銀について”より

10)厚生労働省, “妊婦への魚介類の摂食と水銀に関する注意事項”より

11)西大輔,松岡豊, “うつ病とPTSDに対するオメガ3系脂肪酸のエビデンス”2013

12)川端二功, “n-3系脂肪酸の眼科領域における新規機能性”2014

13)長寿医療研究センター病院レター, “急増するドライアイ”2018,72号